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CROSS CUBの乗車インプレッション(+【訃報】水木しげる先生死去)

長年封印していたバイク乗車禁止の封印を解いて、CROSS CUBというバイクを購入してしまいました。そのバイクの納車後、最初のツーリング先はどこにしようかといろいろ考えていたのですが、犬山城を目的地にすることに決めていました。城好きで、名古屋に住んで10年になるにも関わらず、実は国宝の天守が現存する犬山城をまだ見に行ったことがなかったのです。理由は特にないのですが、まぁ地元だから後回しにしていたということなのだと思います。この近さが、最初のツーリングとして、なかなかうって付けに見えたので、今回のツーリングは自分でも楽しみでした。
DSC05017.jpg

しかしながら、やっぱり15年もバイクに乗っていないと運転の勘が鈍ってしまいダメですね。犬山へ向かう最中に、途中で見事に道を間違えてしまい、かなりの時間ロスが出てしまったので、今回は犬山城見学を断念するというダサい結果に終わってしまいました。しかし、まぁ、来週は確実に週末に臨時出勤があるのでダメなのですが、今年中は、まだまだツーリングに行く機会もあると思うので、焦らずに行くことにしましょうか。

そんなわけで、犬山城へのツーリング記事は書けないのですが、代わりにCROSS CUBへ乗ってみて感じたことをFirst impressionとして書いてみることにします。

1)運転した印象
購入するバイクを選定する際、スクーターを候補から除外していたのですが、CROSS CUBを実際に購入し、運転して気付いたことは、実はCUBというバイクはロードバイクなどよりはよほどスクーターに近いなということです。というより、ギアチェンジ操作を行うスクーターであると言ったほうが正しいかも。

通常のロードバイクは、燃料タンクにまたがり膝でタンクを挟むこと(ニーグリップ)によって体とバイクの一体感が生まれるのですが、CUBにはニーグリップできる場所に燃料タンクはありせんから、ロードバイクでは味わうことができた人馬一体感は味わえないのですよね。
その代わりといっては何ですが、ロードバイクに跨る時に感じる緊張感はありませんし、思いっきりハンドルが切れたり車体が軽いことも相まって、お手軽にどんなところへも入っていける軽快感はあるので便利なことは間違い何のですが。でもこれって、スクーターのキャラクターと全く同じですね。う~ん...。購入前は、もうちょっとロードバイクの味わいがあるのではと期待していたのですが、ちょっと期待したのとは違っていたのが残念ではありました。

2)スピード
現在、慣らし運転中なのであまり無茶はできなかったのですが、大体、4速で時速50km/hで走っている時が一番安定しているような気がします。一応80km/hまで出してみたのですが、60km/hから70km/hまではかなりゆっくりと加速し、更に80km/hまでに速度が到達するにはかなりの時間がかかるので、バイパスのようなスピードの出る路線で車の流れに乗って走るのはちょっとキツいかも。でも、一般道で60Km/h程度で走るには特に問題ありません。走行フィーリングも、70km/hを超えるとフロントの接地感がかなり怪しくなり、振動も激しくなるので、ターゲットとして60km/hまでの安定走行を想定して設計されているように感じました。しかしながら、車の流れに乗って安全に走行するために、あともう10km/hの余裕がほしいところです。

P6160469.jpg
クロスカブのメーター。一応120km/hまで振っていますが、これについてはツッコミ禁止です。まぁ、これは、ミエというよりデザインのようなものなのですから。

3)ブレーキ
前後共にドラムブレーキであることに不安を感じていたのですが、やはり効きが甘いですね。自分は以前バイクに乗っていたので、その時の癖で、主にフロントブレーキで停止しようとしたのですが、フロントブレーキだけではかなり危ないです。あるときなどは、横断歩道の停止線で全く止まれずかなりオーバーしてやっと停止できたような状況で、かなりアセりました。今までは自分が事故に遭うことを心配していたのですが、こんな状況では逆にこちらが加害側になりかねません。そこで、リアブレーキと併用でブレーキをかけてみたのですが、これならなんとかなりそうです。実は、普通のバイクのリヤ・ディスクブレーキは、ちょっと踏み込むと簡単にロックしてしまうので、今まであまり使っていなかったのですが(一度ロックして吹っ飛びそうになったことがある)、カブではリアブレーキ使用は必須です。ドラムブレーキじゃ、ロックなどしませんですしね。

4)カブのギアチェンジ(2段クラッチシステム+ロータリー式ギアチェンジ)
カブのギアは、スクーターのように遠心クラッチを使うのでクラッチレバーがないのだけれども、走行中にギアチェンジを行う必要があり、それはロータリー式ギアチェンジであるというのは、知識として知っていましたが、実際に乗る前までは、どうもちゃんと理解出来ていませんでした。実際に操作してみればなる程と思うのですが。

27164508.jpg
まず、左ハンドルを見てみると、通常のバイクが持っているクラッチレバーがありません(スクーターだと左ハンドルにはリアブレーキのレバーがありますがカブは右足にリアブレーキペダルがあるので左ハンドルには何も無しに)。

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では、クラッチはどのように操作するかというと、車体左側に取り付いているクラッチペダルをつま先や踵で踏み、シーソーのように動かすことでクラッチを操作します。そして、このクラッチ操作には、通常のバイクのようにクラッチレバーを引いてクラッチを切り離すなどの操作は不要です(しかし、スロットルを操作して回転数を合わせるような操作は必要です)。

このクラッチの仕組みを簡単に言うと、発進時は遠心クラッチを使用し走行中はマニュアルクラッチを使うというもので、構造は以下のようになっています。
0151e49a.jpg
発進用のクラッチはスクーターによく使われてるシュー式の遠心クラッチで、エンジンの回転があがるとシューが広がりアウターに接触して動力が伝達するというものです。
そしてギアチェンジは変速用の多板クラッチを押し動力を切断してギアチェンジを行います。このようにクラッチと呼ばれるものが2つ組み合わされているので2段クラッチという名前がつけられています。一言で説明すると、スクーターのクラッチをバイクの一般的なリターン式のギアへくっつけた構造と言えます。

このような図を示されると、ものすごいハイテクな感じがしてしまうのですが、実は構造的にはものすごく基本的なもので耐久性も優れ、1950年代に世に出てから半世紀以上もギアの基本構造は変わってない程の完成度を誇るものなのだそうです。

クラッチの構造の話はこれぐらいにして、今度は、あの有名なロータリー式ギアチェンジの操作について話してみたいと思います。

まず、通常のバイクのクラッチは以下のようなシフト操作になっています。
1→N→2→3→4(シフトダウンはこの逆)

ところが、ロータリー式は以下のように以下のようなシフト操作になります。
N→1→2→3→4→N→1→...(シフトダウンはこの逆)

上記のように、4速の次にシフトペダルを踏み込むとNへ入り、もう一回踏み込むと1へ入るというようにグルグル回るからロータリー式と言われています。しかし、走行中に4速からNへ入るのは危険なので(間違って1足などに入ったら超大変)、走行中4速の次へは、いくらシフトペダルを踏んでも入らないようになっています(逆に、いくら踵でシフトペダルを踏んでも1速の次に入らないようになっています)。

具体的な操作例を出すと、まず1速で走りだしたとします。次に2→3→4と入れていき赤信号で停止したとします。停止したら、もう一度つま先でシフトペダルを踏むと4→Nへ入ります。信号が青になったらまたつま先でシフトペダルを踏むみN→1速で走行を開始します。まさに、ロータリーシフトですね。

しかし、最初は自分も上記のような操作を行ってきたのですが、よくよく考えてみれば、カブの発進は遠心クラッチを使っているので何速で停止してもエンストしません。そこで、通常は3速もしくは4速で走行し、停止直前で踵を2回踏んで2段シフトダウンして、スロットルから手を離して停止し(わざわざNへしない)、発進は1速もしくは2速から行うようにすると、ギアチェンジを煩雑に操作しないで走行できることがわかってきました。そして、この何速で停止してもエンストしないというカブのギアチェンジが何だか面白くなってきたのです。

通常のバイクでは、無造作にクラッチをつないだりすると直ぐにエンストしてしまいます。そのため、半クラッチを使うなどクラッチ操作には細心の注意を払いながら操作を行わなければなりません。ところが、カブの場合は、クラッチレバーも無いところに持ってきて、何速で停止しようが絶対にエンストしないのです。このラフさとタフさに気が付いたあとは、かなり自由にバイクを運転できて楽しかったですね。最初に、乗車姿勢がスクーターとあまり変わらなかったのでちょっとがっかりもしたのですが、カブの運転に慣れてからはそのれ以上にカブの運転感覚が気に入るようになっていました。

このような、ラフでタフなギア操作が可能なクラッチが何故誕生したかというと、1960年代までは免許なしで原付は運転でき、配達用途で片手運転に雪駄履きなんて人が多かったので、片手運転用にクラッチレバーがなく踏むだけでギアチェンジができるもの考案したらこのような構造になったとのことです。

カブには、様々な伝説があるのを聴いたりします。曰く、"エンジンオイルの代わりに、天ぷら油や灯油を使っても走る","カブを耐久試験したら、耐久試験をする機械の方が壊れた","東京から名古屋までの300kmの間に一度も給油せずに走り続けた"などなど...

でも、そういう性能面の伝説もすごいですが、世間のニーズにしっかりと答え、世界中で信頼され愛されるものを作り上げた日本の技術魂にも素晴らしいものを感じてしまいます。

自分も、今後、この伝説のカブのタフさをツーリングで堪能してみたいと思っています!

PS1.フューエルインジェクション
インジェクションと言えば、昔は高級な乗り物にしか採用されなかったものですが、現在では、なんとカブにも採用されていると聞いてビックリしました。2007年施行の排ガス規制に対応するために、バイクのほとんどがインジェクション搭載になったとこことです。
   フュエールインジェクション
ガソリンを効率的に爆発させるにはガソリンを霧状にする必要があります。この作業を、かつてはキャブレターというメカニズムが担当していました。このキャブレターはジェット・ニードルとダイヤフラムによって構成され、ピストンの動きが作る負圧によってガソリンを気化させてシリンダ内に気化ガソリンを送り込んでいました。しかしインジェクションは、スロットルのあけ具合、吸入空気温度、エンジン回転数、排気ガス温度、排気ガスの酸素濃度などをセンサから読み取り、コンピューターの中に記憶されているマッピングという立体グラフと照らし合わせて燃料をシリンダ内へ噴射するので、キャブより精密に燃料管理をすることができます。

以前は、冬の間冬眠させていたバイクのキャブに固形化したガソリンが詰まってしまい、キャブの掃除はバイクの冬眠明けの儀式のように行っていましたが、そんなことはもう無いのかと思うと技術の進歩を感じますね。

PS2.カブのボアアップ
記事の中で、もう10lm/hの余裕が欲しいと書きましたが、なんと、それを簡単に実現することができるカブの109cc→125ccへのボアアップキットがいろいろな会社から出ているようです。

以下は、TAKEGAWA(タケガワ)「ハイパーSステージ125ccボアアップキット」47,800円(税込)と「エンデュランス」の124ccボアアップキット 32,400円(税込)です。(他にもいろいろあるらしい)
  o0260017313312913190.jpgo0280021013312908030.jpg
ボアアップを行った方の記事を読んでみると、最高速はそれほど増えないけれども、トルクが上がり走りやすくなったとのこと。馬力が上がると、車体にかかる負荷も増大しバイクの劣化を早めるとの指摘もありましたが、基本的に、自分はサンデーライダーなので、それほど走行距離が伸びるとも思われないのでそこまでシビアに考える必要はなさそうです。そういうわけで、冬を越して春先にはボアアップを行ってみたいと思っています!


【訃報】水木しげる先生死去 93歳

ネットニュースで突然の訃報を知り大変驚きました。
水木しげる

「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげるさんが死去 93歳(産経新聞 11月30日)

「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」などの人気漫画家で、文化功労者の
水木しげる(みずき・しげる、本名・武良茂=むら・しげる)氏が
30日午前7時ごろ、心不全のため東京都三鷹市の病院で死去した。93歳。鳥取県出身。

11日に東京都調布市の自宅で転倒し、頭を打って入院していた。

大正11年、大阪で生まれ、間もなく鳥取県境港市に移った。早くから絵の才能を発揮し、
13歳で油絵の個展を開き、新聞の地方版に「天才少年」と紹介された。

高等小学校卒業後、15歳で大阪の石版印刷会社に就職したが2カ月で解雇。
美術学校に通った。18年に徴兵され出征し、激戦地ニューブリテン島の
ラバウル戦線でマラリアを発病、空襲で左腕を失った。

21年に帰国し、26年から「水木しげる」のペンネームで紙芝居作家として出発し、
32年に上京。39年、劇画誌「ガロ」の中心作家となり、
40年から「週刊少年マガジン」で「墓場の鬼太郎」を連載、
代表作「鬼太郎」シリーズは「ゲゲゲの鬼太郎」と改題、
43年にテレビアニメ化されて大ヒットし、世代を超える人気キャラクターを生んだ。

平成3年、紫綬褒章受章。8年、日本漫画家協会賞文部大臣賞、
10年、児童文化功労賞を受賞。15年には、手塚治虫文化賞特別賞と旭日小綬章を受け、
22年に文化功労者。妻の布枝さんの自伝「ゲゲゲの女房」を原案にして22年、
同タイトルのNHK連続テレビ小説が放送され、人気を呼んだ。
25年6月には『水木しげる漫画大全集』第1期が配本、現在は第2期が刊行されている。


「日本人は、ねずみ男だ」と語った水木しげるさん(スポーツ報知 11月30日)

以下抜粋

年下の手塚治虫、石ノ森章太郎らと、日本漫画の礎を作った。
「鉄腕アトム」、「仮面ライダー」を生んだ2人の天才に対して、水木は奇才と呼ばれた。
「2人とも、徹夜を自慢していたけど、徹夜に殺されたようなもの。
私は徹夜すると1週間動けなくなる。ベビーのころから眠りに弱かったから、
長生きしてるんじゃないかな。眠りこそ健康のもと。だから水木家は病気をしない。
だいぶ殴られたけど、軍隊でも人より1秒でも長く寝ていたから。
顔が航空母艦みたいになるほど長く寝てるから元気ですよ。
空母ですから、力強いですよ」

 21歳のときに召集令状を受け、南太平洋の激戦地、ニューブリテン島(ラバウル)に出征。
空爆で左腕を失った。戦前、戦中、戦後を生きてきた男は
「日本人というのは、理性的というより、感情的な民族と違いますか。興奮して騒ぐ。
善良だけど、あくせくし、あわてる。でも無駄なエネルギーだった、と
戦争に負けてから知った。そして平和になった」と分析する。

 ねずみ男のように、どこにでも順応できた。
戦地ラバウルで、現地のトライ族と仲よくなった。
「畑をやるし、家も建ててやる、女房も世話するから残れって。
向こうにいれば王様みたいな生活が約束されていたけど、残っていれば、
鬼太郎もねずみ男も生まれなかったでしょう」ラバウルとは今でも交流があり、
「海外に行くと、地元の妖怪が私に飛びついてくる」と笑う。

CVB-_4wUAAAYahp.jpg
自分が子供の頃、日本は(というより世界中が)今よりもっと荒っぽくてアクが強い世の中でした。漫画もアニメもそうで、自分はこの頃の世相を反映しているようなアニメを今でもあまり好きではありません。
でも水木先生の描く漫画やアニメの世界は、怖い中にもどこか飄々とした感じがして、他のエグい作品よりも心惹かれるものがありました。
まだ、色濃く戦争の記憶が残る世の中で、ご自身も戦争で左腕を失う大怪我を負い、それゆえ作品中に戦争の話も出てきましたが、戦争を"悲惨"というより"悲しい"と表現されていたように感じました。とても優しい方だったのだと思います。

心よりのご冥福をお祈り申し上げます。

       lib907836.jpg
これが最後の連載漫画だったらしい。
さすが、水木先生。最後まで飄々とした作品を描いておられましたね。

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