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≫2017年04月18日

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実写版"Ghost in the Shell"及び"ひるね姫"感想

先週の土曜日に、実写版"Ghost in the Shell"、次の日曜日に"ひるね姫"を観てきたので、簡単な感想を書いてみたいと思います。

1."Ghost in the Shell(実写版"攻殻機動隊")"感想
2017-04-17_be6ce8b3.jpg
今年2017年にあの押井守監督の名作"Ghost in the Shell"がハリウッドで実写映画化されました。会社の同僚がアニメ版"Ghost in the Shell"がとても好きで、その彼と現在一緒に働いている米国人技術者の3人で、このハリウッド実写版""Ghost in the Shell"を日本公開初日に観てきました。

自分が、この実写版の原典となるアニメ版"Ghost in the Shell"を観たのは、アニオタに墜ちる前の今から10年以上昔のことと思います。それでもやはり、その印象は強烈でした。廃退感溢れる近未来の描写とジブリ映画とは全く違った劇画調のリアルな作画、そして東洋調なのだけれどもどこの国とも解らない不思議な音楽と渾然となって、全体に無国籍な不思議な空間を作り出していました。そして、この作品に登場する近未来では高度にネット技術が発達して、人々がネットを通じて意識の共有が出来るようになっているのですが、その行き過ぎた発達によって、個人の意識とネットで繋がった集団との境界が曖昧になる弊害が起こることが描かれており、そしてその更に先にある、この弊害を克服する人類の新たな進化についてまで触れられていて、アニメという枠に囚われない画期的な内容を持った映画だったと思います。

それに対して、このハリウッド実写版"Ghost in the Shell"は、"機械(サイボーグ)の自分探し"を通じて個人のアイデンティティとは何なのかを語る、どちらかというと古典的なSFの内容に変更されていました。しかし、実写映画の場合、主人公(ヒロイン)に焦点を合わせた物語構成にする必要があるのならば、話をわかりやすくする都合上、このような変更も仕方が無いことなのかもしれませんね。

しかしながら、各場面場面はかなり忠実にアニメ版"Ghost in the Shell"の雰囲気を再現していて、そこは大したものだと思いました。
以下は、映画に描かれる近未来の世界。
2017-04-17_実写版攻殻機動隊32017-04-17_実写版攻殻機動隊1
但し、あまりにもCGを多用していると感じる場面もあり、CGはもっと縁の下の力持ちのような使い方をした方が良かったかもしれません。

また、光学迷彩を使ったアクションシーンも中々良い再現率でした。
2017-04-17_実写版攻殻機動隊2

これだけ各場面では、原典を忠実に再現することに拘った実写版ですが、最後に主人公が選ぶ選択は、アニメ版と真逆になっており、ここは原典を知っている人と知らない人で大きく評価が変わるポイントかもしれません。個人的には、アニメ版の主人公が最後に選ぶ選択こそが、この作品を名作たらしめている部分と思っているのですが、実写版の最後も、エンタメ作品としてはアリなのかなとも思いました。

以下に、上記以外に映画視聴中に気がついたことを並べてみます。
・内務省公安9課の荒巻部長がビートたけしでびっくりしました。自分は、同僚に誘われるまで、この映画に全く興味を持っていなかったので、ビートたけしが俳優としてこの映画に参加していることを全く知らなかったのですが、この配役はどうなのでしょう。ビートたけしは、映画監督北野武としては実力のある方だと思いますが、少なくとも荒巻部長の役どころに向いているようには見えませんでした。荒巻部長は、公安9課の司令塔として、冷静かつ戦略的に配下の課員達に指令を出す役割のはずなのに北野映画のヤクザそのままでしたから。というか、司令塔なのに滑舌が悪くて何を言っているのか良く解らないときがあったのはちょっとなぁ...
あと、最後に荒巻が悪役を倒すのに、少佐の許可を得てたのがよく分かりませんでした。普通、逆では無いのでしょうか。わからん...

・バトーは出番は多かったですが、アニメ版のゴツいタフガイだけれども知的で優しく、しかも少佐にベタ惚れなところがとてもカワイイという絶妙なキャラだったのですが、その雰囲気が残念ながら出ていませんでした。まぁ、それは仕方ありませんね。その他の課員はトグサを含めて空気でした。これも、まぁ仕方がありません...なのか?

・実は、この映画は米国で大ゴケをしてしまったのですが、その理由に、アニメ版の主人公である草薙素子少佐を日本人から白人の"ミラ"少佐へ変更したからだという人たちが日本以外の国に多くいたようです。こういう非白人の役を白人が演じることをホワイトウォッシングと呼ぶそうですが、日本人の感覚から言うと、映画の主人公や細かい背景設定などは、映画の製作国の人種や風習に変えられるのが普通と思っているので、こういう何でも人種差別的なものに結びつけたりして非難するリベラリストと呼ばれる人たちは、どこの国でもウザいなぁと感じてしまいました。また、そもそも、この作品の主人公の人種や名前が原典と違うのは、ちゃんと作品中に理由が示されているのですが、非難する人たちはきちんと作品を観てからものを言っているのでしょうか。本当に、どこの国でもリベラリストと自称する人たちの思い込みが強く自分の正義以外は認めない非寛容な態度にはウンザリさせられます。

最後に、作品内容以外に感じたことを書いてみたいと思います。
この映画は米国で先に封切られ、興行的に惨敗してしまったらしいのですが、一部のリベラルと自称する人たちの勘違いも甚だしい人種差別批判などに不評の理由は勿論無くて、自分はこういう文明と人間の関わりをテーマにしたような作品はもう古くてなってしまって、あまり興味が持たれない分野になってしまっていることが理由の一つであるような気がしています。

かつて、技術の発展が右肩上がりだった頃、例えば米ソが宇宙開発競争にしのぎを削っていた時代の1960年代には、このままの開発が続けば、2000年台に人類が木星まで到達するのも夢ではないと、あのSF映画の名作"2001年宇宙の旅"が製作されました。そしてコンピューターの普及が始まった1980年代には、アンドロイドが自我を求めることを描いた"ブレードランナー"が製作(1982年)され、Windowの普及とNet専用のデジタル回線の設置などが始まった1990年代には、高度にNetが発達した社会でNetによって共有された意識と自我の境界の葛藤を描いたアニメ"Ghost in the Shell"が製作(1995年)されたりなど、技術が目に見えて発展している時代には、技術の発達とそれに関わる人間葛藤を描いたSFの傑作が多く生まれました。

しかし、実際に2000年になってみると、人類は木星どころか火星にも到達しておらず、2000年以降コンピューターやNetの普及が進んでも、アンドロイドはおろか自立型2足歩行のロボットですらまだまだ開発段階で、人間の意識がハードウェア的にNetに接続される世界ともなるともはや当分訪れそうも無いことが解ってきてしまい、かつてSFの傑作で描かれた近未来は唯の夢物語として色褪せて感じられるようになってしまいました。もちろん、技術の停滞によってSFというジャンルそのものが廃れたという訳ではありませんが、文明と人間の関わりなどと言う大上段に振りかぶったテーマは、もう荒唐無稽過ぎてシリアスに論じる必要も無いように感じられるようになってしまったと思っています。

実際、今回の実写版"Ghost in the Shell"の中で、アンドロイドの自分探しの部分が、自分的には凄く邪魔に感じられてしまいました。その部分を省いて、サイバー犯罪を解決する公安9課の物語に割り切って、それを現在のCGや撮影技術を駆使して描けば、もっとスッキリと面白いSF活劇になっていたような気がします。でも、こうなると最早、"Ghost in the Shell"では無くなってしまいますけれどもね。

最後に、"Ghost in the Shell"の本編の最初の4分間が公開されていたのでそれを貼ってみます。

これを観ると、やはりアクションに徹していた方が良かったのではと感じてしまいます。

PS1.アニメ版"Ghost in the Shell"
2017-04-17_GhostInTheShell_1.jpg
士郎 正宗氏のコミック"攻殻機動隊"を押井守氏がアニメーション化して1995年に発表したSFアニメの傑作。今年封切られた実写版"Ghost in the Shell"は、このアニメ版を原典としています。今までのアニメに無かった近未来を描いた美術と音楽で作り上げられた独特の世界感の中で、人類とNet技術との関わりを描いたSFアニメとして高く評価されました。

物語冒頭の高層ビルからのダイブと有名な光学迷彩のシーン
2017-04-17_20150529030134.jpg2017-04-17_GhostInTheShell_2.jpg

"Ghost in the Shell"で描かれる近未来の背景。
2017-04-17_攻殻町並み12017-04-17_攻殻町並み3

Ghost hackされて偽の記憶を埋め込まれてしまった可哀そうな清掃員。このシーンはもの凄く印象に残っています。
2017-04-17_攻殻清掃員2

"人形遣い"にダイブをしようとする少佐。少佐にだけ上着を掛けているところで少佐へのバトーの気持ちを現しているところが丁寧にいい感じです。
2017-04-17_攻殻進化22017-04-17_攻殻進化12017-04-17_攻殻進化32017-04-17_攻殻進化
背景に描かれているのは生命の樹。人類の更なる進化を暗示する象徴的なシーン。

最後に、アニメ版のOPシーンを貼ってみます。この音楽は実写版のEDにも使われました。

今の目で見ても斬新なOPで、直ぐに物語の中に引き込まれてしまいます。このグリーンスクリーンの文字が曲がれるOPは、映画マトリックスに影響を与えたと言われています。次代の作品に影響を与える程の先進性があることも、本作が名作と言われる所以でしょう。

PS2.ブレードランナー
2017-04-17_bladerunner02-1024x576.jpg
1882年に公開されたSF映画の金字塔。人工的に造られたアンドロイドと自我とは何かをテーマに描いた作品です。ここで使われた美術背景は多くのSF作品に影響を与え、アニメ版"Ghost in the Shell"の監督である押井守監督も、この映画の影響を受けたことを明言しています。
この作品は公開当時、大ヒット作の"ET"の陰に隠れてしまい極端な不入りで、興業的には全くの失敗でしたが、その後、ビデオが発売・レンタル化されてからは記録的なセールスとなったと言われています。

自分は高校生の時、この作品を京成線青砥駅の名画座で"ターミネーター"と"ブレードランナー"の2本立てという強烈な組み合わせで見て、凄いショックを受けました。この2本立てを2回ずつ計4回も1日で見てしまったためフラフラになってしまいましたが、多分映画を見てショックを受けると言うことは、これからの人生でも2度と無いことなのではと思っています。そういう意味で、本作は自分にとっても記念すべき作品です。

この映画の公開後、ほぼ全てのSF作品に影響を与えたと言われる伝説の近未来描写。
1424001136704.jpg2017-04-17_brscreen.jpg2017-04-17_2_2.jpg
CGを使わないで、ミニチュアと撮影技術だけでここまでの映像を作り出すとは全く驚異的です。最新の"Ghost in the Shell"と比べても全く遜色がありません。

以下は、ブレードランナーの驚異の特撮シーン集。

現在のSF映画と比べても全く遜色が無いどころか未だにこの特撮シーンを超える映像はそれ程多く出ていません。

2."ひるね姫"感想
2017-04-17_hirune.jpg
"ひるね姫"は、攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(2002年),攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG(2004年),精霊の守り人(2007年)などを製作した神山健治監督による2017年公開のオリジナルアニメ映画です。
前から気になっていた作品ですが、前日に実写版"攻殻機動隊"を観てきたので、その"攻殻"繋がりで翌日の日曜日に近くの劇場まで足を運んで観てきました。
2017-04-17_hirunehime2.jpg

以下は、ネタバレ感想です。

全体としては、前向きで優しい気持ちになれる良い映画だったなと感じました。細かな背景美術も今時の劇場版アニメらしくとても美しくて、それだけでも、この作品を観にわざわざ映画館へ足を運んだ価値があると思わせるくらいです。さすがジャパニメーションの面目躍如といった感じですね。しかしながら残念なところもあって、それはこの映画の特徴になっている"夢の中の世界"と現実の中の世界の繋がりという正にその部分が、明確になっていなかったことです。

この作品の中で、主人公の心羽(ここね)は、自分のよく見る夢が、妙に現実と重なり始めていることを見つけるのですが、途中でこの夢が、単なる夢では無く、幼い頃自分の父親であるモモタローが自分に話し聞かせてくれた創作の物語であり、その物語の主人公は自分では無く、自分の幼い頃に事故で死んだ母親であったことに気がつきます。このモモタローの創作話の結末が、現実には救うことが出来なかった妻を、救うことになっていたならば、現実の世界で危機に陥ったココネが、夢の中の結末と同様の方法で救われるという展開になることによって、夢の中の出来事が、現実の世界と重なることによって起きた奇跡として、夢と現実がリンクする意味が出てくることになると思うのですが、映画ではそこがはっきりしていませんでした。最後にモモタローとココネが落下する地点に、母親が設計した自動運転のプログラムで動いたサイドカーが救いに来るのですが、あれは現実と夢が重なった結果だったのでしょうか...?う~ん...

あと、この夢の話(モモタローの創作話)も解りづらくて、夢の中の主人公の少女が使う魔法は、母親が作ったソフトウェアのことだとは思うのですが、夢の中の機械の王国ハートランドを襲う"鬼"とは何の象徴なのかが良く解りませんでした。この鬼を倒せるのは魔法で動くロボットだけとのことでしたが、この魔法も母親が作ったソフトウェアのことだとすると、鬼とはシジマ自動車を乗っ取ろうとする陰謀などの観念的なものなのかもしれませんが、夢が現実とリンクしていることを解らせたいなら、もっとわかりやすい設定にした方が良いのにと思ってしまいました。

最後に、エンドロールのバックでで生前の母親とモモタローとのなれそめが描かれますが、そこはとても良かったと思います。そのed曲を下に貼ってみます。

この歌を歌うのはヒロインの森川心羽を演じる高畑充希さん。とても柔らかな素敵な声で、この声はアニメの声優さんでは出せない声のような気がします。

PS. 攻殻機動隊の新作発表
今年、この神山健治監督による新作の攻殻機動隊が製作されるとのことなので、今から非常に楽しみです。以下に、神山健治監督による昔の攻殻機動隊のOPを貼ってみます。


両曲共に菅野よう子さんによる作曲で、菅野さんらしい作品の内容に合った実に見事な曲ですね。歌は今は故人になってしまったオリガさんです。

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